急性胃腸炎で断食治療



   
 
  

急性胃腸炎とは、急性に発症する胃腸症状を主体とした症候群である。
殆どは感染性胃腸炎で、中でもウイルス性のものが圧倒的に多いが、一部に細菌性のものがある。 
病原体に汚染された食物が原因であれば食中毒であるが、例えば黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンによる食中毒は、症状がウイルス性腸炎と極めて類似するため、急性胃腸炎と診断される可能性がある。

詳しくは Wikipedia をご覧下さい。→ http://ja.wikipedia.org/wiki/急性胃腸炎

  
   
 




今週はお腹の調子が悪いな。などと思いながら、いつもの不摂生は続く・・・
やっぱり調子が悪いな。などと思いながら、いつもの不摂生は続く・・・
調子が悪いのはいつもの事か? などと不摂生を正当化してしまう。




ある土曜日(2013.06.15)

胃の辺りが痛くて、晩飯を全部食えなかった。代わりに胃薬でも飲むとしよう。
サクロンを飲む・・・、サクロンは爽やかで実にイイ薬だ。日頃お世話に成っている。
その日は珍しく、アルコールを飲まずに早々に寝る事にした。休肝日にも成るし素晴らしい。
私は基本的に『明日出来る事は、今日はしない』が信条であ〜る。
だが眠れない。5〜10分置きに胃が痛むのだ。寝ようとしても痛みで目が覚める。
仕方がないので胃薬第二弾!として、正露丸を飲む・・・、それが悪かった。
胃の痛みが、飲む前の 2倍に成った感じだ。空腹時に強い薬(正露丸)はダメだったのだ。
取り合えず水を沢山飲んで、胃の中の正露丸を泳がせるとしよう・・・
眠気と痛みで、思考力が変だ。おバカだと思うだろうが、そんな人間がここにいる。



ある日曜日(2013.06.16)

午前 3時、5〜10分置きに来る胃の痛みは一体何なんだ? 眠れないし、起きるとしよう。
やっぱり寝てる方が楽か? 痛い時は起きている方が楽だな・・・
寝たり起きたりを繰り返していたら、ゲロ(嘔吐)したくなって来た。
イイ機会だ、飲んだ正露丸を全部吐いてしまおう。きっと楽に成る筈だ。実に名案である。
一度ゲロ(嘔吐)したら、今度はゲロが止まらなく成った。どんだけ出るんだ?って感じ・・・
イイ機会だ、水を飲んでゲロで胃洗浄してしまおう。我ながら実に名案である。
だが、ゲロをするのは意外と体力を使う。腹痛だけでなく、体力的にヘトヘトに成ってしまった。
これは一人でどうこう出来る症状じゃないな。と今更ながら気付く・・・

家族を起こしたら、救急車を呼ぶと言い出した。それは止めてくれ!
私は急性虫垂炎(盲腸)しかも破裂で、救急車に乗った経験がある。あれはご勘弁願おう。
近くの公立病院まで妹に乗せて行って貰った。そして救急外来で診察をして貰った。
私の前に救急車で来た人がいたので、私はその人の後だった。どうでもイイから早く痛み止めを・・・

問診、触診、体温、血圧、そして CT(X線断層撮影)・・・
CT(X線断層撮影)は初めての経験だったので、ちょっと嬉しかった。
胃と小腸が炎症して腫れていますね。腹水も貯まってますね。何か変な物でも食べました?
変な物なんて食べませんよ!今週はずーっと腹の具合が悪かったんです。
これは急性の胃腸炎でしょう。今日から二日くらい入院して下さい。何とも簡単に入院が決まった。
痛み止めと点滴で栄養は取りますので、水以外は口にしないで下さい。断食治療です。
痛み止めのお陰で腹の痛みも無く成り、嫌味な先生が急にイイ先生に思えて来た。

その後、血液を採り、胸のレントゲンを撮り、心電図測定と、まるで健康診断だった。
胸のレントゲンを撮り終った所で急に吐き気がして、ゲロ袋を貰って看護師さんの前でゲロした。
何であそこでゲロなんだ? ゲロ袋を看護師さんに渡すのが申し訳なかった。患者だしまあイイだろう。
胃と腸なら内科の様な気がするが、救急外来で見てくれた先生が外科だったからか、私は外科病棟へ・・・
4人部屋の私は 2人目だった。私の先人は胃潰瘍で入院らしい。それ以上詳しい事は聞いていない。
胃潰瘍で手術・・・、その人に比べたら私は断食治療、私の症状など軽いなと思った。


   

維持液(ソリタ-T3号輸液)
水分・電解質の補給・維持
  晩ご飯(ビーフリード輸液)
ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液を補給       
  主治医の名前はボカしました。
外来で火・水・金曜の先生です。


昨日から殆ど寝てないし、私は眠い! 盲腸破裂以来の入院なので、私は寝ますよ。ZZzz...
おっとその前に、仕事関係各所へ事情を説明して、打合せ日その他の変更をお願いする。
強制入院ですからねえ、勝手に病院を抜け出す事も出来ません。悪しからず!
尚、私が爆睡している間に、維持液(ソリタ-T3号輸液)を 1本か 2本打たれました。
基本的に点滴一本(500ml)を 6時間掛けて、24時間ぶっ続け投与って感じですかね。

 


 


ある月曜日(2013.06.17)

寝た寝た。何度も起きたけど、起きてもする事がないので何度も寝た。12時間くらい寝た。
そんなに寝たのは久々なので、腰が痛い。起きても左手は点滴に繋がれてるので、実に不自由だ。
病院内を散歩しようかとも思ったが、知ってる人に会うのも嫌だし、iPhone で音楽三昧・・・

   

点滴注射(ヴィーン-D輸液)
朝起きたら、こんなのも投与されていた。
循環血液量・組織間液減少時の細胞外液の補給・補正、
代謝性アシドーシスの補正、エネルギー補給
らしいが・・・、エネルギー補給だけ理解した。
  これはいつもの維持液(ソリタ-T3号輸液)
見慣れた点滴だと、又お前か?って感じで親しみが湧く。
これは 6時〜12時まで 6時間掛けて打つ点滴だったが、
点滴のスピードを勝手に速めて 10時頃に点滴を終了した。
すると、看護師さんに睨まれた。全てお見通しの様だ。
  昼食(断食治療を終えて、初めての食事)
おもゆ(重湯)とお茶とスープと林檎ジュース
いや〜、林檎ジュースが一番旨かった。
  林檎ジュースがイイなら、ミカンジュースは?
ミカンジュースは味が濃いので、未だダメだそうだ。
じゃあ、コーヒーは・・・、何でも無いです。
  又お前か、ソリタ-T3号!
例の一件で、看護師さんが時々チェックに来る様に成った。
仕方がないので、12時〜18時まで真面目に点滴しましょう。
  昨日から、尿の出具合の確認をしている。
私の検尿ライバルは、右側の青木さん・・・
昨日は私が負けていたが、今日は私の方が勝っている。
って言うか青木さん、今日は未だゼロなんですけど・・・
  ここでまさかのビーフリード!
晩飯は「お粥」だと聞いていたのだが・・・
断食治療を再開するのか? 何か問題でもあったのか?
私的にはメチャメチャ元気なのだが・・・
  晩飯(五分粥とその仲間達)
入院した時に、栄養士さんに食べれない物は?と聞かれた。
私は「ニンジン」と答えた。それなのにアレは何だ?
昼の重湯に比べれば、遥かに旨いので許す。
  だがニンジンはここ迄が限界だな。
この状況でもニンジンが食えない自分に感心した。
ニンジンの気持ち悪い甘味は、一生克服出来まい。
no image   明日の朝食は「全粥」で、昼食から「普通食」と言われた。
仕事が貯まっているので、昼から退院させて欲しい。
退院が無理なら、半日でも帰宅させて欲しい。と頼んでみた。
回復も順調なので、朝食を食べたら退院でもイイと言われた。
飲み薬を出すので、薬が無く成る頃に外来で来るって事で・・・


食事の後、点滴はこれで最後です。と腕の点滴チューブを外された。手錠を外された感じだった。
何処に行くにも点滴と一緒だったからね。特に「ソリタ-T3号」とは付き合いが長い。
さよなら「ソリタ-T3号」、私が元気に成れたのはきっとソリタのお陰だよ・・・
廊下ですれ違う患者さんの点滴スタンドを見ると、ソリタか?と見てしまう。

昨日寝過ぎたので、今日は全く眠くない。明日退院かと考えると増々眠くない。相変わらず消灯は早い。
病院のテレビは見る気が無かったのでカードも買ってないし、MacBook も持って来てないし・・・
MacBook を持って来ていれば、iPhone のテザリングでネットに繋いで遊べたなあ、などと思った。
仕方なく、iPhone に入っていたコンサート動画を見る。コンサートビデオが 6本入っていた。
トミー・エマニュエルの「 Live at Her Majesty's Theatre」を見ていたら、半分も見ないで寝てしまった。

 


 


ある火曜日(2013.06.18)

この二日間で、朝 5時には起きる体質に成った。と言うか、単に寝るのが早いだけだ。
今日の昼から普通食 OK だし、ジュースは何を飲んでもイイんじゃないか?
自販機にジュースを買いに行ったら、財布に 70円と 1万円札しかない。1000円札が無いのだ!
売店に両替機とかないかと見に行ったが無かった。売店の開店は 7時からだし・・・
売店が開く迄、病室のベッドでのんびり音楽でも聴いて待つとしょう。
そう言えば、2日も頭を洗っていない。洗面所で頭を洗う事に・・・、洗髪は実に気持ちが良かった。
売店でカフェオレを買って来た。コーヒーを飲みたかったが、カフェオレで我慢するとしよう。
これから全粥の朝食を食う人間が、その前にコーヒーってのもね・・・

no image   最後の回診
福岡先生、救急外来の時から大変お世話に成りました。
今日の退院の件もご快諾頂き、誠にありがとうございます。
来週、外来で経過報告に参りますので宜しくお願いします。

   

最後の病院食(全粥とその仲間達)
重湯と五分粥は、塩味が利いていたのかな?
全粥は、ふりかけ無しでは食えない。これは梅干しが欲しいね。
梅干しの塩分は、未だ強すぎるのだろうか?
no image   食事の後、退院手続きの件でナースセンターに聞きに行ったら、
会計に連絡して、会計から連絡を貰う事にしてくれた。
看護師の皆さんにも大変お世話に成りました。
誰が私の担当看護師だったかも、良く判らないんだけど・・・


会計を終えて、タクシーで帰宅、9時半には家に着いた。激動の 2日半だった。
急性胃腸炎の断食治療としては、最短コースだった様に思われる。
尚、ウイルス性だったのか、細菌性だったのか、食物が原因の食中毒だったのか、原因は不明のままだ。
来週、外来で診察に行った時にでも、先生に原因を聞いておきましょう。

瀕死は言い過ぎだが、そんな私を 2日間で元に戻してくれた医療スタッフに感謝します。
それと、仕事的にご迷惑をお掛けした皆さまに、深くお詫び申し上げます。




急性胃腸炎で断食治療(2013.06.18)


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