桜’08(4月21日)

ワグナーと見る8回目の桜

 先週の土曜はハンサム先生のところへ抗癌剤投与後、1週間目の血液検査に行って来ました。右胸のあたりにある転位した「しこり」も先週は6cmだったものが5cmにと小さくなっています。ハンサム先生はいつものように一通りワグナーの状況を問診し、触診して、注射針でワグナーの右の後ろ足から血液採取した後、ワグナーは車の中で、私とワグママは待ち合い室で待機。

 20分程して、いつものように診察室のドアからハンサム先生が顔を出し、「さとうサン」と診察室に呼び込まれました。ハンサム先生は、いつものように血液検査表を前に、数値を一通り説明してくれた後、「いや〜、ワグナー君は強い子ですね〜。」と、ニコニコ。続けて「抗癌剤の投与後、1週間目に白血球が減少するのはいつもの事だし、それ以外これといった副作用もないですもんね。」と微笑みながら。
(そのあたりが慎重派のこの先生らしい。状況が良くても結果報告はいつも血液検査の後だし、結果が良くても先ずは数値の説明をしてくれてからの感想と成るのです。)

「本当に先生のお陰です。」と言うわたしに「いや、私は何もしてません、ワグナー君が強いんですよ。」と笑って答えるハンサム先生。

 昨年の秋のワグナーは10メートルも歩けず、2週間くらいは何も口にせず、水さえ我が家の水道の水は一切飲まず、近くの公園の水だけが命を繋ぐ唯一の水だったのです。公園の水を飲み終えると暫くその場にうずくまって動かなくなるワグナーでした。うずくまるワグナーと、その側で途方に暮れるワグママを、帰りが遅いのでそんな事もあろうかと、ほんの直ぐそこの公園まで車で迎えに行った日曜日もありました。
その頃みちちゃんが来てくれて、ワグナーも余程嬉しかったのかテンションが上がって少し食べれるようになって。でもまたみちちゃんが帰って暫くすると、今度は命を繋ぐ公園の水が、雪が降って来る時期だったので元栓を止められてしまい、どうしようかと思っていたところ、また上手くしたもので抗癌剤が到着し、みるみる食欲も出て来て、我が家の水道水も飲むようになって来たのです。

 運が強いのか身体が強いのか、何か運を持ったワグナーだな〜って振り返ってみて思います。
今年も、ワグナーと見る桜の季節を迎えました。

wagner's room