大阪・その5(8月15日)

  だいパパ&だい君と近鉄・生駒駅で別れた後、伯父さんに電話。
「今、生駒駅の近鉄デパートの前なんです。」
約束の時間が4時だったのに、もう5時半になっていました。
「遅かったな〜、分かった、あと10分そこで待ってろ。」と伯父さん。
電話の感じじゃ少し怒ってるかな?伯父さんとの電話を切ると直ぐにワグママから携帯に電話が入りました。
「伯父さんと連絡取れたの?さっき携帯の番号を教えろって電話があったわよ。
  こっちからも電話しても全然出ないし、伯父さんちょっと怒ってた感じだったよ。」
ありゃ、いけない。またいつもの癖で、携帯電話の入ったポーチをだいパパの車の荷物室に
置きっぱなしだった・・・不携帯電話 (^_^;)

ルーク家に向かうワグナー
ちょっと不安そうな顔かな?

キョロキョロのワグナー
しっかり修行して来い!

 私の家は地方でいうところの本家って言われる家です。本来、伯父さんが継ぐべき人だったのですが、
年が若かったせいで、姉であるお袋が家を継ぐ事になったのでした。本家の家長としての資質というか
自覚というか、婿さんだった親父に持てなかったものを長男の私は小さい頃から「伯父さんのように」という
言葉で当の親父から指し示されていたような気がします。

 私が物心付いた時、伯父さんは東京の大学生で夏休み等に帰って来ると東京の臭いを持ち込んでくれました。
今でこそ新幹線で3時間もあれば東京に行きますが、当時はまる1日掛けて行く別世界だったのです。
伯父さん=東京だったのかな?兎に角、その頃から私の憧れの伯父さんだったのです。
私が外見的にも仕種も何となく伯父さんに似ているという事も、憧れに拍車を掛ける要因だったかも知れません。
幼い私にとって、伯父さんはスターなのでした。

 電話をして15分くらいすると、「おーい!」伯父さんが車から顔を出して呼んでます。
重い荷物を抱えて小走りに伯父さんの車に乗り込むと、「ワンコはどうした、一緒じゃなかったのか?」
頭の白髪は薄くなったけど都会派の伯父さん。60を過ぎたとはいえ、ラフな服装でやっぱりダンディ。
伯父さんはいいって言ってたけど、デッカイし伯母さんだってビックリするだろうし、
友達の家に預けて来た旨を話し、ルーク家や大阪バニ軍団の事を話しました。

 生駒駅から15分、初めて訪ねる伯父さんのお宅は閑静な住宅街に有りました。
駐車場の鉄格子をガラガラと開けると、物音に気が付いたのか伯母さんが外まで出迎えてくれました。
「お久しぶりね〜、元気そうじゃない。」ニコッ。「ええ、伯母さんもお元気そうで。」ニコニコ〜。
何てったって、私が独身時代から憧れの伯母さんなんです。大阪の豪商のお嬢さんだから品がいい!
 家の中に入って、川に入ったままだったから直ぐにシャワーを浴び「あ〜気持ち良かった〜。」
「おい、何を食いたい?」と伯父さん。大阪来たからには黒くないつゆのうどんを食べたいと
思っていたのですが、ここ生駒には美味しいうどん屋がないって事で、「じゃあ、寿司がいいです。」

 早速、伯父さんの車に伯母さんと乗り込み生駒で一番繁盛する寿司屋へ。
伯父さんは回る寿司には1度も行った事がないどころか、回らない寿司屋でもカウンター意外は本来座りたくない人。
”武士は食わねど高楊枝”を地でいってる気骨の人なんです。今どき流行らないのにね〜。(笑)
残念ながらカウンターはいっぱいだったので仕方なく座敷きへ、高楊枝のお陰で高〜い特上をごちになりました、へへへっ。
「足りないだろう、何か握って貰え。」というので、トロとかあわびとか高そうなものと一緒にサーモンを
注文すると、「お前、そんなもん邪道だよ。」と笑いながら高楊枝なお言葉。

 寿司屋を出て家に到着、一旦車から出て駐車場の鉄格子を開けようとした伯母さんに、
「ナカちゃん、ドライブしようか?」と伯父さん。ナカちゃん?!(^_^;)ナハハッ
当のナカちゃんも、「はいはい。」ってな調子で嬉しそうに助手席に戻って来ます。
いいね〜、私も年取って2人だけの生活になったらワグママと友達付き合いしようっと♪ v(^_^)
生駒から奈良の街を夜の観光ドライブ・ツアーです。「暗くて何も分らないだろう」と気遣ってくれましたが、
伯父さん夫婦との夜のドライブは結構楽しかった。
「以前、北陸道をドライブした時はスピード違反で捕まっちゃってね〜。」と伯母さん。120kオーバー!!
高速道は低い制限速度でも80kだろうから200kは出てたって事。った〜く、いい年してスピード狂の伯父さんです。
しかも、警察なんか恐くない伯父さん、3時間も高速警察隊とやりあったとか。結果・・・6ヶ月の免停。
ナハハッ、私など足下にも及びません・・・去年、高速道で65kオーバーの3ヶ月免停。ウ〜ン、修行が足りんな〜。
大学時代の伯父さんの武勇伝を親父に聞かされてたのを思い出しました。
田舎で友達と飲み歩いた時、1人の警官に不審尋問され、「あんたが公園で立ちションしてるの知ってるんだぞ!」って
警官にくって掛かったとか。結果・・・逮捕・留置。貰い下げに行った親父曰く、立ちション警官逆上してたとか。

 この伯父さん、武勇伝には事欠かない人で、自分の会社を立ち上げる前に勤めていた会社での事。
自分が統括する部署に、その会社の社長の息子が新入社員として配属されて来たという。
給料日に部下を連れ飲みに行った伯父さん、新入社員全員の給料袋を開けさせ明細表を出させると、やおら社長の息子に
「お前、総務に行って他の新入社員より多い分返して来い。返して来なければ今後お前と遊んでやらない。」と命令。
そんな「武士」の伯父さんなんです・・・家は昔からの商家なのにね〜。(笑)
気骨とプライド、いつも伯父さんに会うと誇りに思うのです。家の家系はそうやって生きて来たんだよな。
ボロは着てても心は錦じゃ!

「俺はな、赤いポルシェ買って若い娘を引っ掛けてドライブするのが将来の夢なんだよ。」と伯父さん。
将来のね〜・・・。そんな伯父さんの言う事を助手席でニコニコしながら聞いている伯母さんでした。

ルーク家に泊まるワグナーと、
面倒見てくれたルーク君

眠そうな顔
ちょっと寂しそうかな?


 翌日は伯父さんが九条の会社まで朝6時に車でご出勤。
朝遅いと高速が混んじゃって、えらく時間が掛かるんだとか。私が寝てる間に伯父さんの車に私の荷物を
積み込んで貰って(スンマセン)私は伯母さんと8時頃の電車で九条駅まで。
九条駅に着くまでの間、憧れの伯母さんとデートです。v(^_^)
「わたしも生き物は大好きなんだけど、死なれるのが辛くてね〜。」と伯母さん。
以前にメジロを飼っていて、旅行する際も旅館にナイショでこっそり連れて世話していたとか。
そのメジロに死なれた時も大ショックで、以来生き物は飼ってないらしい。
銀行に行った時に知り合ったワンコ(多分ゴールデン)とその飼い主ママと仲良くなり、
ワンコ話しを良く聞かされているのだとか。
「な〜んだ、伯母さんワンコ大丈夫だったんですか、それじゃあワグナー連れて来れば良かったな〜」
「ワグナー君は何キロあるの?」「伯母さんは何キロですか?」「45キロよ。」
「じゃあ、ワグナーと一緒です(笑)」「へ〜!おっきいのね〜(笑)」

 九条の駅を下りると直ぐにルーパパが現れました。伯母さんは先に会社に行く事にして一旦別れ、
路駐しているルーパパの車に行きました。おお〜、いたいた!ワグナー♪
「ワグナー君、いい子だったよ〜。」と車中のルーママ。そっかそっか、いい子だったかワグナー。
あれっ、随分綺麗!「ワグナー君もルーパパが洗っといたからね。」と、ルーママ。
洗ってくれなくていいって言っておいたのに、川遊びで疲れた後に大変だっただろうに・・・ありがとう、感謝です。

 ルーク家を暫くそこに待ってて貰って、ワグナーを連れて伯父さんの会社に急ぎ足で向かいました。
道順はさっき伯母さんに聞いてたから大丈夫、そこのコンビニの角を曲がって・・・曲がったら後ろから肩を叩かれました。
アレッ、伯母さん!なんだ、待っててくれたんですか。 と、ワグナーが片足上げて屈んでる。ギョッ、ウンチ!
焦っちゃいました。ウンチの用意なんてないよ〜。「伯母さん、ビニール袋持ってませんか?」
伯母さんは手提げの中からビニール袋を取り出すと、ワグナーのウンチを取りに「あっ、いや、ダメですよ!」
ワンコを飼ってない時、ビニール袋とはいえウンチを鷲掴みするなんて考えられなかった私です。
まして憧れの伯母さんにウンチ鷲掴みなんてさせられません!キッパリ!
伯母さんの手からビニール袋を奪い取り、グニュッ。あ〜良かった、伯母さんがビニール袋持っててくれて。
それにしても、嫌な顔もせずにワグナーのウンチ取りをしようとしてくれた伯母さんに、また憧れちゃいました。
飼った事もないワンコのウンチなのに。

伯父さんの会社に着くと、「いや〜、デッカイな〜!」とニコニコ顔の伯父さん。
「友達を待たせてるからもう行きますね。ワグナー、行くぞ」と、伯父さんの側にいたワグナーを呼ぶと
スッと私の側に来るワグナー。「いいワンコだな〜、随分言う事聞くんだな〜。」益々ニコニコ顔の高楊枝・伯父さんでした。

 荷物を向かいの雑貨屋にある宅急便のカウンターに出すと、このカバンのままでは宅急便で出せないと言う雑貨屋のオバサン。
カバンを入れる宅急便専用の袋を買わないとダメだとか。ルーク家を待たせていたし急いでいたので、
「じゃあ、それで出しておいていただけますか?料金は向かいの○○商事に請求しといて下さい。」と、伯母さんが来てくれた!
「伯母さん、後はお願いします!」「はいはい、いいわよ。お友達待たせるといけないから早く行きなさい。」
すると雑貨屋のオバサン「じゃあ、何かダンボール用意して上げますよ。」
・・・伯母さんが来なかった時は、そんな親切な事言わなかったぞ!(ーー;)
後は伯母さんにお任せして、宅急便代も払わず、あたふたと路駐中のルーク家の車に急いだのでした。
伯母さ〜ん、宅急便代、甘えました〜!何せ、気骨とプライドなもんで〜!(^_^;)へへへっ

つづく・・・その6へ
(写真提供ルーク家)

wagner's room