サーブの車庫建築日記/10月編



Garage construction diary of SAAB/October

10月編


(10/01)

 建て方(1日目) 軽量鉄骨梁

今日から我が家の建て方が始まって、2階の梁まで上がった。
1階の軽量鉄骨梁のナットをダブルナットで注文したのに、数を数えるとシングルナットだった。
更に座金も無かった。大工さんの話しでは、普通はダブルナットも座金もしていないと言う。
それはダメだな・・・、ダブルナットも座金も、私の設計監理及び現場監督としての常識なのだよ。
仕方がないので、私が近くの金物屋まで一走り・・・

2Cs-400×75×4.5 は、4-M16(はさみ束は 2-M12)それが 2ヶ所
2Cs-300×50×4.0 は、2-M16(はさみ束は 2-M12)それは 1ヶ所

はさみ束の方は、シングルナットでもまあ十分だろう・・・
と言う事で M16用ナットを不足分の 20個と、M16用・M12用座金も必要枚数買って来て取付けた。
『安全第一、品質第二、生産第三』 私の現場では、生産よりも品質が優先されるのだ。

C-400×75×4.5 に 3間梁は無い。4間梁を 3間用にカットして使っている。ちょっとした贅沢だ。
その梁を 4本の M16で固定する為に、4寸角の柱を「抱き柱」にしている。又々ちょっとした贅沢だ。
こうして見ると、まるでラーメン(剛構造)って感じでイイねえ。
私が贅沢出来るのはそんな程度だ。この梁が120×600の大断面集成材だったらな・・・

(10/02

建て方(2日目)and SAAB

今日は雨降り・・・、降水確率は70%、降ったり止んだり晴れたりと、忙しい空だった。
雨にも負けずに、6人の大工さんと 2人の手元人夫(私と親父さん)は頑張った。
3階の根太を付け、構造用合板を敷き、柱を立て、梁を組み、そして母屋って感じだ。
クレーン作業の為、道路面 2・3階の外部足場が無い。足場を組めない。NTT の電線が邪魔なのだ。
電力の低圧線(4本)を無くしたので、何とかクレーン作業も出来るといった感じである。
狭い敷地に、ムリムリ建てるのは大変な事なんだなと今更ながら・・・
道路側の建て方は非常に危険を伴った。しかし大工さん達は素晴しい。左官屋には無理だな。

今日でクレーン作業が終わったので、明日は建物の周りを全て足場で囲む予定だ。
今日の作業は、自慢じゃないが「安全第一」とは言えなかったからねえ・・・
もし、労働基準監督署が、抜き打ちでパトロールになんて来たら、えら〜く怒られた事だろう。
『こんな危険な状態で作業をするとは何事だ!直ちに作業を中止しなさい!』な〜んてね。
監督署に見付からないうちに、とっとと足場を組んでしまいましょう。

しかし、3階からの眺めはいい。屋根(屋上)の眺めはもっとイイだろう。私は未だ上がっていない。
明日、屋根の野地板合版を敷いたら、いよいよ屋上に上がってみようと思っている。
明日は、屋根の垂木を付け、野地板合版を敷き、屋上ボイラー室を建て、パラペット立上げの予定だ。
前(道路側)と後ろの軒の出は 600mm、左右は 450mmしかない。
出来れば 900 出したい所だが、北側斜線、道路斜線、日影規制、採光と全てがギリギリなのだ。
今回のテーマは「ギリギリの所をギリギリっぽくなく目一杯で建てる」これだな。

(10/04)

外部足場完了&屋根野地板張り

昨日、足場屋が来れなくて屋根が出来なかった。それで、1階の筋違い入れと各所金物取付けをした。
今日、足場屋が来てご覧の様な感じだ。木くずが出るので、ごみコンテナも持って来て貰った。
道路から見て左側の足場が、実は道路に出ている。側溝の上に足場が載っているのだ。
これは道路使用許可申請を出すべきか・・・、出さないといけないだろうなあ。

今日、大工さんが外部の防風紙(タイベックシート)を持って来た。フクビの何とかシートだった。
私が『ソレはタイベックじゃないな』と申し上げた。
大工さんはそれまで、その「何とかシート」をタイベックだと思っていたらしい。
確かに同等品なのかもしれないが、私が指定したのはデュポンのタイベックシートなのである。
大工さん、何とかシートはタイベックの紛い物なんだよ。我が家にそんな物は使って欲しくないなあ。
何とかシートは勿論返品・・・、我が家は生産よりも品質を優先します。

屋根(屋上)からの眺め・・・

north view east view
south view west view

いや〜、ご近所の 3階建ての家が低く見えるねえ。バキッ!/(>_<;)
本当の事なのだから仕方がない。何しろ 3階建ての屋根が、私のアイレベルの下なのだから(笑)。
今日は、屋根の野地板合板 2層張りを終え、予定に無かったアスファルトルーフィングを敷いた。
防水工事が今月中旬の予定なので、それまでの簡易防水だ。折角の乾燥材が雨でビショ濡れではね。

今日、防水工事をお願いしたトーエイ工業の小久江さんが、現場を見に来られた。
小久江さんとお会いするのは、三橋設計を辞めて以来なので 4年半振りくらいに成る。
見積り依頼で、電話やファックスは時々していたのだが・・・
以前と変わらない小久江さんで安心した。久々に一緒に仕事が出来て、とても嬉しい。

それから「east view」の野地板合板の後ろ側が、既存建物である。
屋根は折板で、積雪1.5m(450kg/m2)で設計してある。屋根勾配は1/20でほぼ平らだ。
我が家の狭い敷地では、既存建物の屋根の上も材料置場として使っている。
1・2階の材料は我が家の敷地内に、3階の材料は隣の敷地を借りて、屋根材は既存建物の上に・・・
平らな屋根って便利なんだなあと今更ながら・・・

(10/06)
今日は忙しかった・・・
今朝、役場の税務課に呼ばれていたので、行って打合せをして、
その後、尾花沢警察署に仮設足場の道路使用許可申請を出しに行って、
すると警察で、町道であれば役場の建設課の方に「道路占用許可申請」も出す必要があると言われ、
又々役場の建設課の方へ・・・、申請書を貰ってそのまま清水邸へ・・・

午後から役場に道路占用許可申請を作って出して来た。その後、サンポットと我が家の打合せを・・・
我が家の屋根(屋上)の融雪工事の打合せである。
だが、サンポットくんは承認図も配管図も持って来ていなかった。何をしに来たんだろう?
書類と図面は後で届けてくれるらしいが、別に問題は無いだろう。問題は・・・
 キリン :『ロードヒティングを屋根に持って来て、うちみたいにやった事ってありますか?』
サンポット:『いや〜始めてですね。しかし屋根を屋上として使えるのはイイですね・・・』
 キリン :『私も初めてなんで、ちゃ〜んと雪が融けたら、ご近所に薦めようかと・・・』
サンポット:『是非薦めて下さい。』
 キリン :『雪国には、屋根を屋上として使うなんて概念がありませんからね・・・』

サンポットくんもえらく感心して帰って行った。今週末、屋根(屋上)の融雪配管の予定である。
当日は、Mac & DUCATI ITO!が陣頭指揮に立つので、今回のサンポットは大変だなあ・・・
仕方がない、施主・設計監理者・現場監督・手元人夫の私が、パイピングのお手伝いを致しましょう。
パイピングならお任せあれ、何しろ三橋設計・床暖工事部?で鍛え上げてますからね・・・

サッシ枠搬入

今日、アルミサッシの「枠」が搬入された。サッシは 20ヶ所だがその内訳は、
・アルミサッシ(6ヶ所)
・アルミと樹脂の複合サッシ(5ヶ所)
・プラスチックサッシ(9ヶ所)

今回、始めて「プラスチックサッシ」という物を使ってみる。これまで一度も使った事がなかった。
プラスチックサッシは、アルミサッシよりも値段が高いので、施主の要望がないと・・・
だが、鋼製建具工事をお願いした五十嵐物産の専務さんが、安〜くしてくれると言うので今回使えた。
サッシのプロファイルはドイツのケメルン社、硝子はフランスのサンゴバン社である。
因に、愛車・サーブの硝子もサンゴバンだ。日本の旭硝子とかの 2流メーカーではない。バキッ!/(>_<;)
由緒正しい、イタリアのベネチアガラスの流れを組む、フランスのサンゴバンなのであ〜る。

このプラスチックサッシは「住宅用」ではない。基本的に「ビル用」なので、納まりに工夫が必要だ。
住宅用はビス止め、ビル用は溶接が基本だからね。納まりについては十分検討したので大丈夫だろう。
届いたサッシ枠を見ると、アルミサッシの枠はヘナヘナだが、プラスチックサッシの方は牽牛だねえ。
住宅用アルミサッシと、ビル用プラスチックサッシの違いだな・・・

アルミサッシは立山アルミの「カームグレー」という色だ。だが、プラスチックの方は「白」だ。
出来ればプラスチックもカラーを使いたかったのだが、納期が間に合わず、白で我慢する事にした。
納期さえ十分にあれば、多少割高には成るが 5種類くらいから色も選べた。
サッシの色がバラバラでもいいのか? バラバラをバラバラっぽく見せないのも、今回のテーマなのだよ。

アルミサッシの取付けは大工さんにやって貰うが、プラスチックサッシの方は私が取付ける予定だ。
9ヶ所中 8ヶ所は私が取付けて、1ヶ所だけは建築仲間の木村光一くんに取り付けさせて差し上げよう。
木村くん、設計事務所で図面なんぞばかり描いていても、建築という物は身には付かないぜよ。
建築とは、頭と体と心でやるもんなんだな・・・

(10/08

トップライト ルーフドレンとオーバーフロー

トップライトが取り付いた。と言っても仮止めだが・・・
最初、600×2,500mm の垂直開閉式トップライト(長尺ドーム型)で考えていたのだが、
見積りを取ったら130万円(手動オペレーター式)だった。電動式だと150万円也!
貧乏人は「受注生産品」などとても買えない・・・
諦めて 900角の住宅用トップライト(電動開閉式)を 2つ付ける事にした。2ヶ所で 50万円也!
ペアガラス+ドームの 3層構造なので、トップライトの断熱性能としてはまあまあだろう。
垂直開閉ではなく片側開閉(25度)なので、どちらの方向に開くか家族で検討中である。

我が家には、1階から3階まで「3層の吹抜」が出来る。その上にこのトップライトを付けた訳だ。
天井からの採光は、普通の窓の 3倍の明るさがあるからねえ。
勿論、吹抜の照明には電動昇降装置を付けて、電球の交換も簡単に出来る様にしなければ成らない。
トップライトには雪が積もらないのか? それも又、我が家の実験の一つである。

トップライトの後ろが、融雪用のボイラー室だ。屋根が無いんじゃないか?
然様・・・、融雪ボイラー室の屋根は折版屋根なのだが、材料が未だ来ていないのだ。
ボイラー室の屋根雪は、ボイラー室の熱で融けるんじゃないかな? それも実験の一つだ。
屋上への出入りは、3階の廊下から「屋根裏収納はしご」を使って、この融雪ボイラー室に上がる。
今回の工事で、我が家の階段は大小 6つに成るのだが、階段は危険と共にドラマチックな空間でもある。
dramatic(劇的な)・・・、我が家の階段は果たしてどうなんだろう?

今日、屋上パラペット立上りのコンパネとセメントボードを張り、それと断熱材敷きが終わった。
ルーフドレンの穴も開けたし、オーバーフローの穴も開けた。
明日、親父さんがセメントボードの目地処理と、全面のしごき(薄塗り)をする予定らしい。
私はプラスチックサッシの木枠取付け、これはビル用サッシを木造に取り付ける為の下準備だ。
大工さん達は 2・3階の筋違いと間柱の取り付け、それと外部のタイベックシート張りである。
屋根の融雪配管が土曜日、月曜日に割れ止めの溶接金網を敷き、当て取り(レベル出し)をして、
融雪土間のコンクリート打設は火曜日の予定になっているが、全てはお天気次第であ〜る。

(10/09
我が家の屋根の固定荷重を軽くしようと考えてみた。
いくら構造計算上は大丈夫とはいえ、頭に載せているのがコンクリートだからね・・・
因に、2.3t/m3×0.07m×70m2=11.27t のコンクリートが、屋根の自重として載る訳だ。
柱も梁も元気なうちはイイが、人間と共にくたびれても来るだろう。

そこで、コンクリートは軽量骨材を使った「軽量コンクリート」にしようと思った。
生コン屋に聞いてみると、軽量コンクリートの単位重量は1.8t/m3程度らしい。
それはイイねえ・・・、屋根の自重を 2/3 に低減出来るじゃないか!
だが、軽量コンクリートは何十m3単位でないと、軽量骨材を仕入れないらしい。
我が家のたった 5m3 ぽっちの為に、軽量コンクリートは出せないと生コン屋に言われた。
この Mac & DUCATI ITO!の頼みでも・・・

じゃあ、現場で生コンにパーライトを入れて「パーライトコンクリート」にするか!
鉄筋コンクリートの屋根下地に使う軽量モルタルが「パーライトモルタル」である。
所が、パーライトにも問題があった。パーライトコンクリート(モルタル)の特徴は、
・重量 (モルタルの1/2)
・耐火性(モルタルの 4倍)
・断熱性(モルタルの 8倍)
・吸音性(モルタルより優)
・施工性(モルタルと同等)

待てよ? 断熱性が 8倍と言う事は一体どういう事だ?
熱伝導率がモルタルの1/8と言う事ではないのか?・・・、むむっ、その通りなのである。
それだと熱がコンクリートに伝わらず、コンクリートに蓄熱出来ないじゃないか!
カタログでは、いい事ばかりを謳っているものだ。
パーライトの場合、強度は弱くなるし、吸水性も出て来る。ダメだなコリャ。

思い付きで安易にパーライトを入れてしまったら、とんでもない事に成っていた所だ。
「雪の融けない融雪屋根?」に成ってしまうからね(笑)。笑い話では済まなかった。
やはり、物事は深〜く考えるべきなんだと今更ながら・・・

結局、コンクリートが安くて手頃で一番の材料だ!と言う判断に達した訳だ。
だが、色々考えた挙げ句、やっぱり元のコンクリートでは面白くない。
70mm 打設予定を 60mm にするか? 10mm 減らすと m2当たり 22kg の固定荷重を減らせる。
融雪配管と溶接金網の納まりで 60mm が限界なのだ。
70mm だと屋根に載るコンクリート総重量が 11.27t になるが、60mm だと 9.66t まで減る。
10t を切ると何だか妙に安心したりも出来る。10mm の違いが 1.61t の差を生むのだ。

因に、サーブの車両重量は1.59t 、サーブ1台の重量を軽減出来る訳だ。
それにしても 9.66t と言う事は、サーブが 6台屋根の上に載っていると言う事になる。
それを思うと、物凄い荷重だなあと今更ながら・・・
安くて軽くて熱伝導率の高い蓄熱材があったら、どなたか教えて下さい。次の現場で使いま〜す。

(10/11)

融雪配管状況 融雪ボイラー室からの IN OUT

今日は融雪屋根のパイピングの日である。家に戻った時には半分の敷設が終わっていた。
そして、今日 1日でパイピングが完了した。ご覧の様に、
なかなか綺麗な敷設状況である。
配管は13mm の架橋ポリエチレン管で、配管ピッチは150mmだ。
融雪面積 70m2 に対し温水配管は 5回路。1回路の配管が約 90mで、5回路で 450mの配管という訳だ。
この綺麗な配管が、火曜日には土間コンクリートに埋まってしまうのか・・・

今回の建築の一番の目玉は、やはりこの融雪屋根だろう。更に一番の実験設備でもある。
融雪に必要な灯油代(ランニングコスト)は、どのくらい掛かるものなのか?
ロードヒティングの場合、地熱も融雪の熱に利用出来るが、今回はボイラーだけが熱源だからねえ。
作動する設定温度は
? 回すお湯の温度は タイマーの設定は・・・
今迄に私がやったコンクリート蓄熱床暖房とは勝手が違う。不安だが、それ以上に楽しみでもある。

12月に雪が降って、融雪ボイラーを始動させるのが、今から既に待ち遠しい。

(10/12)
朝、木村光一くんからの電話で起こされた。私の日曜日は寝て曜日・・・
彼が、我が家の視察&プラスチックサッシ取付けの「お手伝い」に来てくれる事に成っていたのだ。
電話で起こされたのが10時、彼が来たのが11時、部屋でコーヒーを飲んで、じゃあそろそろ・・・
と言う事で、腹も減ったし蕎麦でも食いに行こう・・・、腹が減っては何も出来ん!

次年子の「七兵衛そば」へ・・・、丁度お昼の時間だったのでメチャ込みだった。七兵衛はパス!
街に戻って「おそば美登利」へ・・・、何とか座れた。我々の後は順番待ちだった。
二人揃って「鴨せいろ」¥1,000、美登利はやっぱり「鴨せいろ」だろう。
さ〜て、腹も一杯に成ったし、午後の作業を再開だ! いや作業の開始であ〜る。

木枠をカットする木村くん
ビス止めする木村くん

彼は軍手持参!ご丁寧にヘルメットまで冠って・・・、木村くんはやる気満々の様だ。
木枠をカットする姿がサマに成ってるねえ。ビス止めする姿もサマに成ってるねえ。
一級建築士が二人掛りで、本日取付けたサッシは1ヶ所・・・、まあ上出来だろう(苦笑)。
明日、大工さんに外されるのではないかと、二人で心配している。
施主・設計監理者・現場監督的には、申し分無い仕事なのだが・・・
『誰だ!こんなのを付けやがったのは!』とか言われたらどうしよう。やっぱり少々不安だ。

木村くんが、又手伝いに来ると言っていたが、今度は「壁」でも塗らせてみようかと思っている。
和室の聚落は塗らせられないが、外壁の中塗りくらいなら・・・
その前に「鏝板返し」のマスターが先だな。マスターする頃には、既に外壁は終わっているかも。
それじゃあ彼には、厳しい設計屋さんの目で「完成検査」でもお願いするとしよう・・・

(10/14)
昨日、予想外に雨が降った。天気予報も満更ウソでもない様だ。
屋根が未完成の我が家に取って、雨降りは非常に辛い。パラペットを立ち上げてからは尚更だ。
出来れば、防水工事が完了するまで降らないで欲しいのだが、そういう訳にも行くまい。

これまで私は、工事中の雨風や雪など、全く考慮せずに設計図面を描いていた。
だが今回、現場監督をやっていて非常に勉強に成ったのが、その工事中の「雨」である。
鉄筋コンクリートや鉄骨だと、雨で濡れたくらいどうって事は無いが、木造だとそうは行かない。
我が家は建て方から半月経った今でも、未だ屋根が出来上がってないのだ!

割れ止め溶接金網
融雪土間打設
(コンクリート金鏝押え)

と言う訳で、昨日、融雪配管の上に割れ止め用の溶接金網を敷いて、今日、屋上土間の打設だった。
いよいよ我が家の屋根に、10t のコンクリートが載った訳だ。
10t のコンクリートが載った屋根、しかも木造 3階建て! これは私でなくても面白いだろう・・・
土間も打ったし、直ぐにでも「防水工事」をやりたい所だが、そう言う訳にも行かない。
コンクリートも硬化の途中だし、水分も多いし、防水屋さんに『1週間は置いてくれ』と言われた。
弾性 FRP 防水の工事は、来週(10/20)からの予定だが、これも面白い工事に成りそうだ。

コンクリートは、打設日から設計強度が出る迄(28日間)の平均気温に応じて、
強度の「温度補正」と言うものがある。平均予想気温が18度未満の場合は補正が必要なのだ。
我が家の屋根に打つコンクリートは、構造躯体では無いので、強度は別に関係は無いのだが、
軽量コンクリートに出来なかったし、パーライトもダメだし、面白くないし、最近ミョ〜に寒いしで、
予定していた「21-18-25」を「27-15-25」にアップして打設してみた。
呼び強度(27N/mm2)-スランプ(15cm)-粗骨材(25mm)の生コンと言う意味だ。
更に、到着した生コンに、防水剤を 1斗缶(18 liter)入れて「防水コンクリート」にもしてみた。
防水工事まで後 1週間あるので、それ迄の現場施工上の防水が目的である。

現場用の簡易防水は、設計には無かった野地板合板の上の「アスファルトルーフィング」と、
今回の融雪土間の「防水コンクリート」で 2つに成る。
それらは施工上、木材をなるべく濡らさない為に追加した物(気休め)だ。だがそれは・・・
弾性 FRP 防水を信じていない訳ではないが、もし防水が切れた時の事を考えると「保険」にも成り得る。
いま丁度、雨が降っている・・・、今日打った土間は、既に表面が固まっているので、いい感じ?の雨だ。
未だ防水未施工の状態で、それらの簡易防水がどこまで耐えられるか・・・
今日の土間が、水溜まりを作らずに雨水を処理出来ているか・・・、明日それを検査するのが楽しみだ。

(10/15)
昨日の雨には参ったね・・・、今朝、我が家の現場を見てビックリって感じだ。
昨日、屋上の土間コンクリート打設だった訳だが、諸事情でルーフドレンは取り付けられなかった。
そこだけ「箱抜き」してコンクリートを打設した訳だ。
ドレンの所には水が溜まらない様に「穴」を開け、その下に仮設の雨水排水を設け、
雨が降っても万全の態勢だと思っていた。

それまでは、ドレンの穴に蓋をして、パラペットに数ヶ所穴を開けて、雨水はそこから排水していた。
ドレンの穴からは若干しみ出る程度だったし、私の許せる範囲だった。
土間を打って、今度はドレンの穴に雨が集中しても、下には雨を受ける桝も付けたので大丈夫だろう。
実は、絶対に近い自信さえあった。それが甘かったんだなあ・・・

土間を打って、屋根の雨水は全て 2ヶ所のルーフドレンに集まる様に成るとどうなるのか?
集まった雨水は半端な量ではないんだな。10mm 降れば屋根面積(70m2)で 700liter だからねえ。
3階のドレンの下はビシャビシャだったし、近くの柱を伝って下の 2階部分までも・・・
いや〜参ったね、絶対の自信が一晩で崩れた。
物事に「絶対の自信」など持たない事だ。
構造耐力上は150mm(10.5t)の雨をプール出来ると言えども、それは雨水排水とは全く関係ない。
いくら頑丈な建物を造っても、雨漏りする様じゃね・・・

それより、何故ルーフドレン(自慢のステンレス製)を、取り付けられなかったのか?
ドレンは先月(9/24)に既に購入済みである。ずーっと取付けるのを待っていた。
ルーフドレンには、アスファルト防水・シート防水用とモルタル防水・塗膜防水用がある。
防水屋さんに確認したら『FRP 防水の場合は「塗膜防水用」を使って下さい』と言われた。
更に接続する配水管は「差し込み式」と「ネジ込み式」があり、それは設備屋さんの方に確認した。
キリン:『ルーフドレンに差し込み式とネジ込み式があるんですけど、どっちがイイですか?』
設備屋:『ネジ込みより「差し込み」の方が、施工が簡単でイイですね・・・』
キリン:『じゃあ、塗膜防水用の差し込み式を注文します。』

先週、融雪配管が近くなり、ルーフドレンを仮に取付けて、設備屋に位置を確認して貰った。
すると
『差し込みより「ネジ込み」の方が、防水性は高いです・・・』とか言われた。
なぬ〜っ、今更それはねえべよ・・・
差し込み式のドレンは、設備屋に引き取って貰う事にして、ネジ込み式を「再注文」した。
初めから「ネジ込み式」と言えばイイのに、このバカ設備屋が!

金物屋は『土間打設(10/14)には間に合うと思いますけど、微妙ですね。』と言っていた。
もし間に合わなければ、ドレンの所を箱抜きして土間を打つしかあるまい。
防水的には、土間とドレンを一体で打った方が勿論イイに決まっているのだが・・・
で結局、ドレンは昨日の土間に間に合わず、箱抜きして打設するしかなかったと言う訳だ。
そして今日、金物屋からドレンが届いたと連絡があった。あと1日早ければ・・・
世の中、自分の思い通りには行かない物だ。

(10/16)

ルーフドレン取付
ドレンの排水管ネジ込み
(一昨日の雨で野地板合板が黒ずんでいる)
3階の床
(ここも合板が濡れて黒ずんでいる)
2階の床
(ここはまあ許容範囲だろう)

ルーフドレンは昨日、金物屋に取りに行って、その日にモルタルで取付けた。
今日、設備屋にドレン配管をして貰う為には、昨日のうちに取付けておかないとモルタルが固まらない。
しかし、ドレン周りのザマが悪いなあ・・・、防水工事の前にサンダー掛けでもしてやろう。
ドレン周りに詰めたモルタルは、防水下地という事もあり、デンカ CSA を入れた「無収縮モルタル」だ。
鉄骨造の柱の下(ベースプレートの下)に詰める無収縮モルタル(発泡剤入りモルタル)である。
更に、防水剤も入れ「無収縮防水モルタル」にして差し上げた。
雨水が集まる、屋上排水の要であるドレン周りが、収縮して亀裂を起こし更に水分を吸収しない様にだ。

因に、木材が黒くなるのは、セメントが強アルカリ性なので、それで焼けるからだ。
ただの水(雨)だけなら、こんなに黒く成ったりはしない。
興味のある方は、コンクリートやモルタルの中に、手を10分くらい入れれば判る。手がボロボロに成る。
10分は耐えられないだろうから、5分で十分だろう・・・、at my own risk.
尚、アルカリで黒ずんだ木材は、酸性で中和(漂白)出来る。だが塩酸は強いので酢酸くらいが良い。
興味のある方は、薬局に行って酢酸を買って来て試してみよう。逆に白く成り過ぎる場合もある。
これ又、at my own risk.

今日、ドレン配管が終わった。これで大雨が降ろうと心配しなくとも良い。
一昨日の雨漏りを分析すると、どうやらドレンに入った雨が、雨水受けの他にも、野地板合板を伝って、
屋根の垂木を伝って床に落ちた様だった。150φの雨水受けからはみ出る雨なんてよっぽどだからねえ。
ここまで来ると「大雨」が降って欲しい・・・、この状態で大雨にも対応出来る様なら完璧?であ〜る。
たとえ FRP 防水が切れたとしても、雨漏りなんぞで心配する必要も無い。
いくら防水をすると言っても、厚さが 3.2mm の FRP(fiber-reinforced plastics)だからね・・・

水平構面(すいへいこうめん)

我が家の 1階の梁(2階の床)には「火打ち梁」が無い。
3尺(910mm)ピッチの梁と、1尺(303mm)ピッチの根太に、
12mmの構造用合板を N50釘@150mmピッチで打ち付けている。
それを水平構面と言い、水平ブレースの代わりをしている。
と言うか「木造のスラブ」みたいな物だ。

車庫部分の耐力壁(筋違い)が、3間飛んでいる為にそうした。
これは、古巣の三橋設計社長から教えて頂いた工法で、
木造で筋違いが飛んでいる場合、非常に有効な手段なのである。
見ても誰も気付かないと思ったのでご説明しました。

尚、2階・3階の梁(3階・R階の床)は、従来の火打ち梁を付けて、ごく普通にやってます。

(10/17)
苦節十年・・・、いや 1ヶ月半だな。我が家の解体工事に伴い、2階へ行く階段が失われた。
その為、外に仮設の階段を作って、それで 2階のベランダから私の部屋へと・・・
1階へ行く時は、ベランダから仮設階段を下りて地上へ、更にぐるっと回って勝手口から1階へ・・・
食事もトイレも風呂も、何をするにも、一度「外」へ出なければならなかった。
そんな不自由な生活を送っていたのが、遂に今日、2階への階段が一つ出来た。感激だ!

階段 1号
既存階段 & 桟橋

階段はタモの集成材・・・、そんな事はもうどうでも良い。階段が出来たのは物凄〜く便利な事である。
既存の1階から今日出来た階段で増築部分の2階へ、そして昔使っていた階段で私の部屋へ・・・
途中、仮設の桟橋を渡るが、一度も「外」に出なくて済む。これは物凄〜く素晴しい事である。
人間は、当たり前の事に感謝する気持ちを持たなければいけない。と今日は強く思った。
しかし、1ヶ月半振りとはいえ、昔使っていた階段の、上り下りするリズムが実に懐かしい。
いいね〜階段って・・・、住宅は階段の出来で決まるんじゃないか? とさえ思ってしまう。

前にも述べたが、今回の工事で我が家の階段は 5つ追加され 6つに成る。階段と言うのは実に面白い。
そして、こんな便利な物だったのかと今更ながら・・・
だが正直申し上げて、現在の我が家はセキュリティ・ゼロ!である。誰でも簡単に侵入出来る状態なのだ。
この辺りはそんな物騒な所ではないのでイイが、都会ならこんな不用心な工事は出来ないだろうな・・・
だが、伊藤家は「眠らない家」とご近所では評判だ。夜更かしで私に勝るご近所はいない。
受験生の Aくん・Bちゃん、キミ達も結構遅くまで部屋の灯りが付いているが、私には叶わないだろう。
私の部屋は、寝室であり、仕事場であり、マックの部屋でもあるのだから、寝る暇など無い!
と言いつつ、朝寝て昼までぐっすりだったりするのだが・・・

雨漏りに悩まされる事も無くなったので、今度の日曜(10/19)に我が家の「上棟式」をする予定だ。
今頃か?って感じだが、普通の木造住宅と違って、我が家の場合、屋根のコンクリートがあったからね。
10トンの屋根を決めないうちは、上棟式だなどと浮かれている場合ではないのだ。
しかし 2階への階段が出来て実に良かった。上棟式を車庫の土間でやる訳にもいかないからね。
次に「階段 2号」が出来たら、又々アップするとしよう。我が家は階段がいっぱいあるので面白いかも。
誰かが言っていた。綺麗な建築はつまらない、面白い建築はガラが悪いと・・・
そう、我が家はガラが悪いのであ〜る。

(10/20)

 上棟式

五色の旗が、何故か足場に付いてる・・・
我が家の屋根は土間コンクリートだからねえ。
餅まきは屋上から・・・、やっぱり屋上はイイねえ。
ご近所では、ちょっと「話題の家」になってます。
屋上付きの住宅なんて、ここら辺には無いもので。
冬にはもっと驚かせて見せましょう。

今日から我が家の屋根(弾性 FRP 防水)工事が始まった。
防水は、三井化学産資の「リマスター」RD-1工法(通気緩衝工法)と言うやつだ。
土間コンクリートを打って、未だ一週間しか経っていない。
コンクリートの水分も当然だが抜け切っていない。水分が抜けるまでの工期も無い。
そこで、通気性のあるガラスマットを使用した、FRP 緩衝脱気工法と言うのを採用した訳だ。

プライマー+通気マット
通気マット完了
脱気筒
リマスターD 完了
(超軟質ポリエステル樹脂)

屋根面積 70m2 しかないのに、脱気筒は 2ヶ所も設けた。
トップライトと融雪ボイラー室が、通気経路の邪魔をしていて、2ヶ所設けた方が良いと成ったのだ。
所が、脱気筒はビス止めだった・・・、ビスの長さは 30mm もあった・・・
もし融雪配管にビスが「穴」を開けたら、とんでもない事に成る。穴が開けば、その回路はパアなのだ。
脱気筒の取付け位置の決定は、細心の注意が必要だった。
融雪配管の現場施工写真を元に、配管があるであろう位置を正確に出し、脱気筒の取付け位置を決めた。

融雪配管には 4kg の圧力を掛けてある。もし穴があく様な事があれば、圧力計はゼロに成る。
ドキドキしながらビス穴を開ける・・・、何とか配管には当たらなかった様だ。
融雪配管の時の施工写真を撮っておいて、非常に良かったと思った。本当に助かった・・・

今日は 7工程のうちの 3工程までで終了。明日が本番の FRP 防水で、明後日がトップコートの予定だ。
リマスターD(緩衝層)の工程は鏝塗りだった・・・
ハッキリ言って、私の方が上手いんじゃないかとも思えた。バキッ!/(>_<;)
実際、塗り厚がバラバラだし、鏝波も美しくない。下地のコンクリートはバッチリ平らなのに・・・
明日は、私が「土間鏝」を持って、現場監督しようかと考えている。
やりにくいだろうなあ、防水屋さん・・・

(10/21)
今日は、屋根
FRP 防水工事の 2日目である。
昨日の工事で「通気層」と「緩衝層」まで完了した。今日が本番?の「防水層」である。
第 5工程、ポリエステル樹脂を塗り、ガラスマットを貼り、更にポリエステル樹脂を塗る。
するとどうだ、白いガラスマットが透明に・・・、氷が張った様なこの状態も悪くないねえ。
個人的には、この下地が見える透明仕上げ?でも悪くないとさえ感じる。
だが、防水屋さんも家族も、透明仕上げは許さないだろう・・・、センスの無い連中だ。バキッ!/(>_<;)

立上り(RT-F1工法)
床(RD-1工法)
第 5工程まで完了
脱気筒まわり

明日は、ポリエステル樹脂の上塗りと、仕上げのトップコートの予定なのだが、
天気予報では明日は雨の様だ。雨の日の施工は出来ないらしい・・・
だが、この透明な状態をしばらく眺めていたい気もする。裸の FRP なんて滅多に見られないからね。
雨が降れば、水たまりの状況も確認出来るし、私的には雨が降ってくれた方がイイと思っている。

この 2日間は、屋上を「立入禁止」にしているので、この状況は防水屋さんと私しか知らない・・・
そう言えば、親父さんが上がって来て見ていたな。電気屋さんも融雪ボイラー室の配線で来た様な?
大工さんも珍しがって見に来ていた様な・・・、皆に見られているじゃないか!

(10/23)
昨日・今日と雨降りで、防水工事が進まない。雨が降って欲しいと願ったのがマズかったのか・・・
裸の FRP も、ちょっと見飽きてしまったし、とっととトップコートを掛けて仕上げて欲しい。
何より工事途中の FRP は、歩き心地がペタペタして気持ちが悪い。

 我が家の階段

・増築 1階から既存 1階へ
・既存 1階から増築 2階へ(2ヶ所)
・増築 2階から既存 2階へ(既存階段)
・増築 2階から増築 3階へ
・増築 3階から屋上へ(天井収納階段)

天井収納階段は、面倒なので省略した。平らな所は廊下・ホール部分である。
増築 2階から増築 3階への15段階段を「プレカット階段」で造る事にした。
今日、メーカーと建材屋が来て打合せして行った。1週間くらいでプレカットするらしい。
大工さんは、届いたソレを組み立てるだけだ。便利な時代になったものだ。
他の階段はタモの集成材だが、それだけオークの集成材にした。タモよりオークの方が安かったからだ。
全部タモで揃えた方がイイんじゃないか? 普通はそう考えるが、私はイヤだな。
「階段 2号」のレポートは、そのプレカット階段に成りそうである。
2階から 3階までの階段が出来ると、増々便利になってイイなあ・・・

明日、遅れていたプラスチックサッシの建具が入る予定だ。これでセキュリティ・ゼロ!が解消される。
ブルーシートも外せるし、良かった良かった・・・、本当に良かった。

(10/25)
今日は晴れ、やっと防水工事の仕上げが出来る。防水屋さんも来てくれた。
トップコートの色は、グレーとグリーンのどちらかと言われ、グリーンの方に決めた。
雪が融けたのが判り易い様にと思い、グリーンにしてみたのだが、家族はグレーがいいと言っていた。
しかし、見事なまでの「緑」だなあ(笑)。これでは家族に絶対何か言われそうな感じだ。
屋上緑化?と言う事で誤魔化そう・・・

FRP 防水完了
脱気筒

床面は祖面仕上げで、立上りはフラット仕上げだ。だが明日まで防水の上に上がる事は出来ない。
脱気筒のカバーも取り付いて、なかなかイイ感じだ。脱気筒が無いとプクが出るらしいからね。
「緑」がもう少し爽やかな緑だったらなあ・・・、グレーの方が落ち着いていて良かった気がして来た。
と言っても、どうせ周りから我が家の屋根の色なんて見えないし、緑でも赤でも青でも何でもイイのだ。
屋根が赤とか青でもそれほど違和感は無いが、床が赤とか青というのはイヤだなあ・・・
10年後のトップコート塗り替えの時は、グレーに塗り替えて差し上げるとしょう。

(10/27)

何だ?このだらしの無い黒い配管は・・・
電話用配管と、パソコン用の LAN(Local Area Network)配管である。
2階の一角に電話の引込みを持って来て、そこにボックスを置き、ADSLモデムとルーターを入れる。
そこから既存部分と2階・3階へと配管し、3階にはハブ用のボックスを置き、更に枝分かれって感じだ。
既存部分の 2ヶ所、2階部分に 2ヶ所、3階部分に 3ヶ所、計 7ヶ所の LAN 取り出し口が出来る。
屋上にも1ヶ所・・・、と思ったがソレはやり過ぎだろう。

電気の内線工事もほぼ完了しつつある。我が家の吹抜照明のスイッチは、なんと 6路スイッチ!
普通の階段は、上下 2ヶ所で入り切りする「3路スイッチ」が使われるが、
我が家の 3層吹抜の照明スイッチは、5ヶ所で入り切りするので 6路スイッチと言う訳だ。
6路スイッチと言っても、3路スイッチと 4路スイッチの組み合せらしい。
センサースイッチ、タイマースイッチ、色々使っている。只のスイッチだけじゃ面白くないからね。
住宅なのに「非常用照明」まで付けてみた。停電に成るとパッ!と 30分間バッテリーで付くやつだ。
ブレーカーが上がった時もパッ!と付く。階段の多い我が家の危険防止の為に・・・

内線工事の後は、断熱工事が明日から入る予定に成っている。ちょっとコレも興味深い。
外装のセメント板張りも進行中だ。大工さんが張っているので、木工事は一時ストップって感じだ。
外装は「デラクリート・セメントボードシステム」と言う物で、仕上げは鏝塗りである。
モルタル壁と違い、外壁が割れたりはしない。ソレを使うのは我が家で 4棟目である。
ボード張り、目地処理、役物、下塗り、上塗りと工程があるので、そのうちアップしよう。

(10/28)
今日から断熱工事が入った。大工さんレベルの低性能?なグラスウール断熱ではない。
ビーアイビーウール断熱工法」というやつで、壁にネットを張り、その中にグラスウールを吹き込む。
一般のグラスウール充填断熱とは違い、隙間なく壁に断熱材が入れられる。
しかも、一般的な 16とか 24kg/m3ではなく、35kg/m3の高密度のグラスウールを使用する。
天井のグラスウール吹き込みは良くやるが、壁のグラスウール吹き込みと言うのは今回が初めてだ。

ネット張り
詳細
(ネットが判り辛いな)

ネット張りの「タッカー打ち」が実に速い。4〜5cm間隔でダダダダダ・・・って感じだ。
マシンガンの様で、見ても聞いても面白い。慣れたタッカーさばきだ。青年の名は中川くん・・・
今日、彼等は昼過ぎに現場に来て、3階と塔屋のネット張りを終わして行った。
明日は、1・2階のネット張りをして、グラスウール吹き込みまでするらしい。何とも速い施工である。
大工さん達も、こんな断熱工事を見るのは初めてなので興味津々である。無論、私も興味津々だ。

今日のネット張りを見ただけで、これはイイと思った。10年後には、この工法が一般化しているかも。
今回の我が家の工事では「高気密」にはしていない。その代わり高断熱ではなく「超断熱」にしてみた。
高断熱・高気密と、バカの一つ覚えでソレさえやればイイってもんでもない。

例えば、高性能断熱材であるウレタンは、燃えると「毒ガス」が出るので、私は絶対に使わない。
ウレタンは毒ガスが出るばかりでなく、火が付くと走る様に燃え広がる。
木造で、ウレタンを断熱材に使っている連中の気が知れない。
鉄筋コンクリート造なら未だしも、彼等は単に、断熱性能と気密性能しか見えてないのだ。
南無阿弥陀仏・・・

(10/29)

ブローイング風景
パンパンの断熱材

これは面白い。外壁の防風紙(タイベック)で白かった壁が、一日で真っ赤に成った。
この断熱は、見るからに効きそうである。間柱と胴縁の間に穴を開けても断熱材はこぼれて来ない。
それだけギッシリ詰まっていると言う事だろう。密度 35kg/m3だからね。
吹き込むグラスウールは普通の黄色いグラスウールではなく、赤い高性能グラスウールだ。
中で作業する大工さん達には大いに迷惑だったが、施主と設計監理者にとっては素晴しい断熱工事である。

何故なら、グラスウールはチクチクするからね。これが黄色いグラスウールだと、もっとチクチクするのだ。
赤い高性能グラスウールは、ガラス繊維が普通のグラスウールより細いので、余りチクチクしない。
と言っても、切って嵌め込む充填と違い、吹き込みだと細かいのが宙に舞うので流石にチクチクする。
大工さん達が、私のいない所でブーブー言っていた様だが、ガタガタ言うなら帰りなさい。
防塵マスクも配布したし、文句があるのなら、明日から現場に来なくても宜しい・・・
断熱工事は今日で終わる予定だったが、1階の半分くらいが残ってしまった。残りは土曜日に又来るらしい。

・木造3階建て
・屋根の融雪
・木造の屋根にコンクリート打設
・弾性 FRP 防水(通気緩衝工法)
・プラスチックサッシ
・電動開閉式トップライト
・ビーアイビーウール断熱工法

これまで私がやった事のない物のオンパレードって感じで、この現場は実に面白い。更に勉強にも成る。
これまで新しい物を採用するとしても、一つの現場で精々一つ、多くて二つだった。
今回は施主公認?と言う事で、設計監理者は「やりたい放題」である。と言っても自腹を切る訳だが・・・
自腹を切ると言っても、各業者さんには大いなるご協力を得ている。
設計は Bランクなのに、施工は Aランク(工事費は Bランク)と言った感じで、感謝が絶えない。
工事関係の皆々様、こんな私の為に、本当にありがとうございます。m(__)m

(10/30)

パスク
(内倒し片引き)
ドレーキップ(内倒し内開き)

金物が来なくて取り付けれなかった、待望のプラスチックサッシ(パスクとドレーキップ)が入った。
・パスク(単なる片引き戸じゃないのか?)
・ドレーキップ(単なる開き戸じゃないのか?)

単なるプラスチックサッシじゃあ無いんだなあ、コレが・・・
使用したプラスチックサッシは 9ヶ所、6ヶ所は 2枚引違いで、1ヶ所は 4枚引違いだ。
それ等は、まあ単なる高気密樹脂サッシ?とでも言っておこう。だがこの 2つは違う!
日本のサッシでは有り得ない?考えられない? そんな開閉方式なのだ。
パスク、ドレーキップ、内倒し片引き、内倒し内開き、な〜んて言われてもね・・・

ドレーキップはそうでもないが、パスクの方は、ちょっとした玄関ドアくらいの値段らしい。
本来、パスクはもっと大きな窓に使う物らしく、取付け金物を見ると、そうかもなと納得が出来る。
興味のある方は、我が家に来て見て下さい。たぶん初めての人は驚くでしょう。
私は話しを聞いていたので、ナルホドと思ったが、家族や現場の人達は流石に驚いて感心していた。
メーカーはドイツ、製作は中国、硝子はフランス、組立ては日本、インターナショナルだねえ・・・

(10/31)
我が家の「軽量鉄骨梁」は、建築士会青年部で一緒の小内隆夫さん(小内鉄工所)に入れて貰った。
荷重の掛かる「2Cs-400×75×4.5」の梁は、屋根にコンクリートを載せたら 3mm下がった。
そりゃあ、長さが 3間(5,460mm)もあるんだから、3mmくらい下がるだろう。
屋根荷重を余り受けない「2Cs-300×50×4.0」の方は、全く下がっていない。
所がだ、その 300の梁は、上で私が跳ねると妙に揺れるのだ。揺れると言うか、跳ねると言うか・・・
それに比べ、3mm下がった 400の梁の方は、私が跳ねてもビクともしない。
そこで、300の梁に何か「補強」をしようと思い、角パイプを溶接して補強してみる事にした。
具体的には、2Cs-300×50×4.0 の下端に、□-125×75×3.2 を溶接してみたのだが・・・

 小内隆夫(一級建築士)
300の梁を補強する
 小内隆夫(鉄骨屋)
アングルを取付ける

どれどれって事で、早速 2階で跳ねてみたが、いい感じに揺れがおさまっていた。大成功!
と言うより、初めから部材をケチらず、全て 400の梁にしておけば良かったと反省!している。
ついでに、外壁面に出て来る 400の梁に、木下地取付け用のアングル(ピース)を溶接して貰った。
それを下地に「庇」を取り付ける訳だが、納まりはこれから考える。何とも呑気な現場である。


10月編

Garage construction diary of SAAB/October 


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