サーブの車庫建築日記/11月編



Garage construction diary of SAAB/November

11月編


(11/05)
サッシ廻りのシーリング
現場の夜景?

これが我が家の現場進捗状況だ。外装のセメントボードを張り、目地処理と役物を取付けて、
サッシ廻りと各所のシーリングをやっている所だ。
ビル用プラスチックサッシの、木造取付けの内外納まりもバッチリのつもりだ。
シールも若干大きめに取ってある。これでサッシが動かないなんて事は無いと思うのだが・・・

サッシが付き、外装のセメント板が張られ、断熱材も入ると、何だか妙に安心する。寒くないからね。
外壁を仕上げ、外部足場を外せば、なお安心する。内部造作が終われば、もっと安心する。
内装を仕上げ、各所器具を取付ければ工事完了!なのだが、物事はそう易々とは進まないものだ。
早く完成させたいとは思うが、しっかり吟味して造りたいと思う気持ちも出る。
サーブの車庫増築が、こんな大掛かりな工事に成ってしまって・・・、返済が大変だなあ。
だが、この実験住宅のお陰で、私は色々な初めての経験を味わえる。金には代えられない財産だ。
誰か、もっと私に「実験住宅」をやらせてくれないかなあ。バキッ!/(>_<;)

(11/07)

サーブの車庫(内観)
車庫の建具枠

車庫の「建具枠」が取り付いた。シャッターでもオーバースライダーでもなく「木製建具」である。
ご近所の車庫は、殆どがシャッターかスライダーだからね。違う事をしないと・・・
普段は 1,800w×2,000hの 3枚建具を、赤い断熱材の所に引込んで、車庫は解放にして使うつもりだ。
車庫の建具を閉めるのは、基本的に冬季間(だけ)である。今までが野ざらしだったからね・・・
土間に 3本引きのステンレスレールを取り付けるのだが、未だ付いてない。
レールは一般の M型でなく W型で、レールに砂が入っても建具の開閉がスムースなタイプである。

右の写真は、車庫内部から外(道路)を見た所で、建具の上の壁を少しアールにしてみた。
この住宅で唯一、アールを使った場所である。他は全て直線としている。遊ぶ予算も無いし・・・
我ながら、なかなかイイ感じのアールだと思える。ファサードにも柔らかさが出て来るだろう。
アールは正面から見てはいけない。斜めから見てイイか悪いかである。斜めも正面もイイなら合格だ。
極端なアールは嫌いだ。さり気なく、品良く、シューっとしているのが個人的には好きだ。

車庫に木製建具を付けるのも、今回が初めてである。建具の材質はレッドウッド、デッキ材に使う木材だ。
更に下端 300mm程度は雨が当たると思い、ステンレス板を張る事にしている。
実は、建具など必要ないと思っていた。シャッターも何も無い方が、スッキリして良いと思ったのだが、
家族が絶対にシャッターが必要だ!とか言うもので、仕方なく木製建具を付けて差し上げた。
イヤなんだよね、大工さんや工務店と同じ事をするのが・・・

(11/10)

階段 2号(3階から屋上へ)

3階から屋上への「天井収納階段」が取り付いた。未だに 2階から 3階への階段の方は出来ていない。
階段部材はプレカットで、ず〜っと前に届いているのに・・・、階段は床を張った後にするらしい。
住宅の階段は、幅 75cm以上、蹴上げ 23cm以下、踏み面 15cm以上と決まっている。
建築基準法ではそう成っている。つまり、この階段は階段では無い。梯子(はしご)である。
屋上ボイラー室の点検用ハシゴなのであ〜る。

ご近所で建設中の住宅には、2階建てなのに「エレベーター」が付いているらしい。
我が家は 3階建てなのに、エレベーターどころか「はしご」である。
2階建てでエレベーターを使うのも、どうかとは思うが・・・、まあ建設予算がたっぷり有るのだろう。
他の家の事などどうでも良い。我が家は限られた予算で、思いきり遊ぶ!なのだから・・・
天井収納階段を使うのはコレで 3度目だが、こういう動きのあるパーツは好きだ。
必要な時だけ出して使えると言うのは、便利だし面白い。スペースも有効に使える。
屋上と言っても基本的には「屋根」だし、年中屋上に行く訳でもない。階段はこの梯子で十分だろう。

近頃、現場に大工さんが 3人しか来ていない。ず〜っと 4人来てくれていたのに・・・
他の現場もある様なので、無理は言えないが、私の作った工程表よりも 1週間ほど進捗が遅れている。
木工事が終わらないと、仕上げ工事にも入れない。木工事を急いで貰いたいが、手を抜かれても困る。
釘を 5本打つ所を、3本に省略されてもね・・・、かけば痛し、かかなければ痒しって感じだ。

(11/11)

外装デラクリートの中塗り
車庫のステンレスレール

車庫木製建具のステンレスレールが付いた。長さ 6.8m の 3本引きだ。
W型の 3本引きが無かったので、2本引きと1本引きのレールを溶接して貰った。
定尺が 4.0m までだったので、中間を差し込みジョイントで繋いでいる。
ジョイントで建具がガタンと成らなければ良い。建具枠の集成材の方も、同じく中間で繋いでいる。
初めは「ハンガードア」で考えていたのだが、床のガイドレールの「溝」が宜しくない。
雪が溝に入って、それが夜中に凍れば、次の朝、建具が動かない(車が出れない)って事に成ってしまう。
外部にこう言う建具も初めてなので、雪国でちゃ〜んと使えるか、これも実験である。

外装デラクリートの中塗りが大方終わった。細かい所は残っているが、明日には中塗りも終わるだろう。
この「デラクリート・セメントボードシステム」の特徴は色々ある。
・目地の無い大壁に出来る
・ボードの目地部にクラックが入らない
・曲面施工が出来る(半径2.4mまで)
・仕上げは自由(塗り材はもちろん、タイルや石などの貼り材にも対応)
・木造軸組工法で壁倍率 2.5

私がイイと思っているのは、そんな所だ。
モルタルだと割れるし、サイディングは安っぽいし、タイルを貼れば高いしで、コレに成った。
メーカーの回し者ではないが、なかなかイイ材料だと思う。
専用仕上材(デラクリートフィニッシュ)は、微弾性塗り仕上材で、33色の中から選べる。
だが我が家で使う色は、既に決まっている。前の現場で余った材料が有るのだ。
 外部の仕上げは余った材料の色を使え! by 親父さん

色を選べないと言うのは、設計屋として少々悲しいものが有るが、施主の意見を無視も出来ない。
車庫も「外部」と考えて、壁に断熱材を入れ、デラクリート板を張っているので、
せめて外壁と車庫の内壁だけでも、色分けしてみようかと・・・、みみっちい話しだなあ。

(11/12)
山形県建築士事務所協会主催の「建築士事務所の管理講習会」と言うのに行って来た。
これでも、KYLYN 建築設計室の「管理建築士」なもので・・・
私は、建築士会には入っているが、建築士事務所協会には入っていない。
当然、JIA(日本建築家協会)にも、JSCA(日本建築構造技術者協会)にも入っていない。
入ってないと言うよりも、入る資格の無い immature(未熟な)設計屋なのだ。

今日の受講料は、建築士事務所協会会員が¥13,000 に対し、私の様な非会員は¥16,000 だった。
午前 9時半から午後 3時半までの一日講習で、昼食も出た。いや〜参ったね、その昼食に・・・
それまで、昼食の出る講習会と言えば、大抵は「幕の内弁当+お茶」だったのだが、
今日の昼食は、何と「ピラフ+水」である。しかも量が少なくて 3分で食べ終わった。
建築士事務所協会は何を考えているのだろう? 受講料を¥16,000 も取っておいて・・・

 CM(Construction Management)
 CM 方式とは、総合工事業者(ゼネコン)に一括請負で発注するのではなく、各部分工程ごとに専門工事業者に発注し、これらの発注事務の運営を、CMr(Construction Manager)が管理するというもので、各部分工事の契約は建築主と専門工事業者間で締結し、CMr は別に建築主と業務委託契約を結ぶ。
 CM 方式の利点は時間とコストにあり、まず設計完了を待たずに着工するので、プロジェクトの大規模化によって長期化する設計期間の大部分をカットし、事業全体の資本効率を高め得る。また、工事中の物価変動の危険負担を見込む必要がない。個々の専門工事業者、部材メーカーなどとの密度の濃い折衝ができる、といった点で大幅なコスト節減の可能性が生まれる。
 品質を確保し、工期、工費を予定通りに完成する為には、豊富な経験、十分な情報、そして高いマネジメント能力が要求される。ニューヨークの WTC ビルの建設工事が、CM で大幅なコスト節減が実現した事をきっかけに、CM の普及が進んだと言われている。

今日の講習会で、頭に残っているのはソレだけだ。
もしかして、我が家の工事って CM 方式? すると私は CMr って事に成るのか?
何だかカッコイイなあ・・・、日本語で言えば「直営」直接営業って事じゃないのかな?
直営だと、何だかカッコ悪いなあ・・・

(11/15)
昨日、うち(伊藤左官店)の職人さんが、現場で倒れた。我が家の現場でだ。
外部の基礎モルタル塗りをやっていて・・・、10時の一服までは何ともなかった。
皆とお茶を飲んで、お菓子を食べて、へらへら喋って・・・、いつもと変わりない様子だった。
10時半に作業を再開し、しばらくして隣家の人から『誰か倒れているぞ!』と言われ、
皆で駆け寄り、名前を呼んでも返事をしない。脈はあるが、これは尋常じゃないと直ぐに救急車を呼んだ。

救急隊が来て救急処置をし、病院に運ぶ時に、誰か付き添いをと言われ、私が救急車に同乗した。
病院に着くまでの間、救急隊が病院と連絡を取り、人工呼吸と心臓マッサージを・・・
心肺停止状態だと言われた。私は彼の手を握り『頑張れ庄吉くん!』と言うしか何も出来ない。
病院に着き、救急処置室へ、私は廊下で待つ様にと言われた。間もなく彼は CT室へ移動・・・

CT室の前で待っていると、連絡を受けた彼の奥さんと、一緒に作業していた職人が来た。
CT検査が終わり、医者から『ご家族の方ですか?クモマッカ出血です』と言われた。
その後も懸命な救命措置が取られたが、残念ながら午後 1時 08分に彼は亡くなった。
10時の一服を終えてから、たった2時間半の出来事である。余りにも呆気無いじゃないか!
彼は43才、まだまだこれからだ。体格も良く、誰よりも死なない様な男だった。
彼には、奥さんと3人の子供とご両親がいると言うのに・・・

私が病院に行ってる間に、警察が現場検証と事情聴取に来たらしい。その後病院にも来た様だ。
警察の検証と病院の診断では、事故でなく「病気」との判断で、労災は下りないらしい。
残されたご家族の事を思うと、実に辛いものがある。
もし労災が適用されれば、我が家の現場はストップだろう。現場責任者である私の責任も重大だ。
どちらに転んでも辛いのだが・・・

元気ハツラツだった彼が・・・、私の左官修行の師匠の一人でもあった。
今日になって、じわじわと悲しみと悔しさと怒りが、実感としてわいて来た。
突然の事で、自分でも余り良く理解していなかった様だ。亡くなった本人も多分そうだろう。
脳梗塞と違い、くも膜下出血の場合、突然物凄い痛みが襲うらしい。痛みで意識を失ったりするそうだ。
彼が意識を失う程なので、よっぽどの痛みだったのだろう・・・、痛かっただろうな。

しかし、倒れたのが他の現場でなく、我が家の現場で良かったと思っている。
良かったは不謹慎かもしれないが、親父さんもいたし、私もいたし、仲良しの職人もいた。
奥さんも、近くだったので直ぐに駆け付けて来れた。
もし他の現場で、仲間も誰もいない所だったらと思うと・・・・・、心よりご冥福を祈る。

彼への追悼の意を込めて、しばらくの間 Web のアップは控えます。

(11/20)
先日、くも膜下出血で亡くなった職人さんの「初七日」が今日だったと思う。
いつの間にか、我が家の工事もグングン進んでいるので、そろそろアップする事にしよう。
職人さんが倒れた場所・・・、そこを通る度にちょっと切ない気分になる。
そこで亡くなった訳ではないが、倒れていた姿が思い出されて、一瞬立ち止まってしまう。
現場では暗黙の了解で、彼の話しには触れない様にしている。考えると切なく成るからね。
だが、あの日一緒に働いてた人達は、やっぱり考えてしまうんだよな・・・

外装上塗り完了
屋上のアルミ手摺

ムムッ、何だ? これでも住宅か? 只の「箱」じゃないか! いいんだよ箱で・・・
この箱には、私の色んな実験材料と実験設備が入っているのだから。ワッハッハ!
さて先ずは、外装工事の上塗りが終わった。乾燥を早める為に足場のメッシュシートを外している。
足場のシートを外すと、手摺はあっても恐怖感がグンと増す。それまでとは比べ物にならない恐さだ。
今日、外壁周りの検査をしたのだが、手すりにつかまらないと足場を歩けないって感じだ。
来週中には「外部足場」を解体する予定である。

上塗り材の色の名前は 「モルト」・・・、モルト・ウイスキー? いい名だねえ。
名前でその色に決めた訳ではない。前にも書いたが、余った材料が 7缶(約50m2)もあったからだ。
ローコスト・ハイパフォーマンス、在庫処分も出来て一石二鳥だ。
更に同じ材料を 20缶追加注文したのだが、結局 3缶残ってしまった。あれ〜?まあ仕方がない。
6ヶ所ある「出窓」の色を別の色にとも考えたが、ガラが悪く成るだけなので止めた。

個人的には、もっと明るい色にしたかった。外壁に使うにはちょっと濃い色だなあと思っていた。
だが、コレはコレで見慣れてしまえば、そんなに悪い色でもないと感じて来る。
失敗したと思った屋上防水の緑色も、今ではすっかり馴染んでしまった。イイ色だとさえ感じる。
私には「こだわり」とか言う物がないのだ。順応性?適応性? 痘痕(あばた)もえくぼ・・・

それと、屋根(屋上)のベランダ手摺も付いた。今日、支柱の基礎コンクリートを打設した。
基礎の型枠は、300φの設備配管ボイドで、設備屋さんに貰った。貰った?只でくれたのだろうか?
請求書が来るまでは、只かどうかは判らない。ボイドの 1本くらいサービスするだろう。
手摺は水上側で H=1,200 にしたら、水下側で H=1,360 に成った・・・、ちょっと高かったかな?
設計は、水上で H=1,100、水下で H=1,260 だったのだが、手摺の打合せで急きょ上げる事にしたのだ。
安全性を考えれば高い方が良い。だが、やっぱり低い方が良かったなあと反省している。
私の事だから、そのうちにコレも慣れて、反省した事さえ忘れてしまうだろうが・・・

木造転ばし床
ゼオライト敷き詰め

1階の玄関ホール附近は、土間コンクリートの上に、木造転ばし床、そしてコンパネを張ってフローリングだ。
土間から仕上げまでは H=150mmしかない。当然だが床下換気口も付けていない。
付けようと思えば、換気パイプでも何でも付けられるが、床下が寒くなるだけなので私は付けなかった。
それを、大工さんから『換気口が無いと、床下が湿気で腐れるんじゃないか?』と指摘された。
更にご丁寧に、転ばし床の半土台に防腐剤(クレオソート)まで塗ってくれた・・・、これが物凄く臭い!
ちょっと我慢出来ない匂いだったので、調湿&消臭の為に「炭」でも入れようと思った。
所が、もっとイイのがあったんだねえ・・・

ゼオライト(モルデナイト)
・ 住宅の床下に敷き詰める事により、湿気やカビ、害虫(シロアリ、ダニ等)による建物への被害を防ぐ。
・ 高温焼成したゼオライトの効果は、半永久的に持続する。
・ 冷暖房効果が高まる。
・ 少ない費用で建物の耐久性が高まる。
その効果は、アンモニア吸着が活性炭の約 30倍、吸放湿は木材(ヒノキ)の約 3倍、
吸水量は自重の 60〜80wt%、イオン交換能、分子篩機能、環境触媒機能など多岐にわたる。

その木造転ばし床部分の面積は 3坪、炭を入れると 4万円だったが、ゼオライトだと 1万3千円で済んだ。
炭には「遠赤外線」とか「マイナスイオン」の効果もあったが、ここでは別に必要としない。
私が欲しいのは「調湿性&消臭性」なのであ〜る。
ゼオライトと言っても特別な物ではない。身近かな物で言えば「猫の砂」がゼオライトの様である。
猫を飼っている(飼っていた)方なら、どんな物で、どんな効果があるのかが何となく判るだろう。

商品名は「ユカドライ」で、天然ゼオライトから生まれた乾燥・脱臭・防虫剤らしい。
使用量は 1坪当たり 2袋(20kg)とあった。3坪なので10kg入りを 6袋で十分なのだが、
1セット(10袋)らしく 10袋取寄せた。3坪に10袋、指定量の 1.67倍のゼオライトを使用して差し上げた。
コレで大工さんも文句を言うまい。乾燥・脱臭・防虫剤を 100kgも敷き詰めたのだから・・・

(11/23)

外線工事 1
外線工事 2

一昨日、外線の引き込みが終わった。足場を解体してからでは大変だからね。
家の前の高圧線の下にあった「低圧線」を撤去してしまったので、外線は電柱から直接引込んでいる。
途中、NTT の電柱を経由して・・・、しかし電気屋さんは、ヒョコヒョコ高い所に登って行くものだ。
外壁周りの各所フードも取付け、シーリングも終わった。窓のアルミ手摺の取付けも終わった。
3階だけ FF暖房機を取付けた。外部に出る煙突の取付けがあったからねえ。
2階の煙突は梯子でも大丈夫だろうが、梯子で 3階はちょっと危険なので、足場があるうちにやって貰った。
エアコンの屋外機は、2階も 3階もルーフドレンのパイプシャフト通して、屋上に持って来ている。
雪国の場合、屋外機が雪で埋まらない様に、外壁にブラケットで取付けるが、見た目が余り良くない。
屋上で雪が積もらないと言う事で、屋上に屋外機を持って行ける訳だ。
屋外機のメンテナンスも出来るし、色々な意味で屋上は便利なスペースだと言える。

外壁周りでは、サッシの外部と硝子のクリーニングが残っている。だが、それは私の仕事であ〜る。
1階のサッシは脚立でも掃除は出来るが、2階・3階のサッシは外部足場が有るうちでないと・・・
それから、24時間換気の各居室の給気口は、直接「外気」ではなく、外壁空気層から取り込んでいる。
すると外壁に給気口が現れない。外壁に出るのは、一般換気と 24時間換気の排気フードだけだ。
外壁通気層が 3階の高さに成るので、外壁通気用の「土台換気水切」を 2・3階の間にも入れてみた。
引込み線カバーを取付けている電気屋さんの、頭のあたりの黒いのが土台と同じ換気水切だ。
これは、目地の無い外壁(デラクリート)の外壁目地としても使える。
いくらデラクリートはクラックが入りにくいと言っても、1階から 3階まで高さが 7.3mの 1枚壁に成ると、
下地が木造だし、何処かに「逃げ」を作ってあげるのが常識だろう。

妹の部屋の隣が「客間」なのだが、その間仕切壁に防音用の断熱材を入れてくれと言われた。
妹に言われて、全くごもっともと思い、私が断熱屋さんに成って入れて差し上げた。
我ながら断熱材入れも慣れたものだと感心する。断熱材の入った壁と、中が空の壁ではやっぱり違うねえ。
グラスウールは吸音材で、遮音材ではない。防音は「遮音+吸音」が原則だ。
だが、この部屋はオーディオルームでもないので、遮音材までは入れない。これで十分だろう。

間仕切壁の防音(吸音)用の断熱材
(我ながら見事な断熱工事だ!)

(11/25)

2階の和室(上段)
階段 3号(未完成)

和室の造作には時間が掛かる。だが、やっとココまで来た。長押を付ければ和室の造作はほぼ完了だ。
床柱も落掛けも床框も、全て「黒檀」で揃えてみた。当然「貼り物」である。本物だったら・・・
和室の柱は秋田杉の貼り物だ。養生紙を取って見ると、思った以上に柾目が細かい。本物だったら・・・
柱の木口を見なければ、誰が見ても「秋田の天然杉」と言った感じである。
柾目を数えてみると、12cmの柱の中に年輪が 87本もあった。12cmの中に 87年の歳月が刻まれている訳だ。
コレが無垢(本物)だったら・・・、この柱だけでも自慢出来るな。
因に私の部屋(和室)の柱は無垢の秋田杉だが、柾目を数えたら12cmで 47本の目だった・・・
同じサイズで 40年も違えば・・・、その「違い」は素人でも判るだろう。

大工の棟梁が、2階から 3階への階段(階段 3号)を造っている。
だが、途中まで作って近頃は現場に来ない。現場には顔を見せるが、作業もせずに帰ってしまう。
何をやっているんだ? あの棟梁は・・・
この階段が出来ると、何をするにも非常に便利なのに、現場にいない彼には、その便利さが判らない様だ。
更に中途半端な階段は、階段が無い以上に危険な物でもある。
明日、棟梁が現場に来たら、こっそり車のキーを抜いて、夕方まで隠しておこうかと密かに考えている。
その前に『この中途半端な階段を、今日中に仕上げて下さい』と言うつもりだが・・・
相手の出方次第では、私も「鬼」に成らざうを得ない。

先日、うち(伊藤左官店)の職人さん(井上英一くん)から言われた。
職人:『お前、荒いず・・・、大工さんださ荒いず・・・』
私 :『んだがや?』
職人:『んだず。バンバン言って、やり直しさへっどれ・・・、おっかないず。』
私 :『んだて、ダメな物はダメだべ。』
職人:『お前、荒いず・・・、オラださも荒いごどば言ってみろ。』
私 :『ん〜、ちゃんとしてる人さは言わねべ。』

私は他の業種には「鬼」らしいが、左官工事に関しては「仏?」らしい・・・
所がそうでも無いんだなあ。うちの親父さんの仕事もやり直しさせました。2ヶ所ほど・・・
しかも、皆の前で『なに、あだな事しったんだ!やり直しだ!』と怒鳴って差し上げました。
私はこの現場において、左官見習いである以前に設計監理者であり、現場監督でもあるのです。
いかに施工した人間が、親父さんであろうと、卓越技能者だろうと、発注者であろうと、
いい加減な仕事を私は許さん! いつもボーッとしている私だが、時には「鬼」にも成るのだ。

(11/27)

階段 3号
タラップ

昨日も我が家の棟梁は、午前中だけ作業して、午後からバックレやがった。
他の大工さんが使う材料の「加工」に行ったらしいので、まあ許そう・・・
さて、本日やっと念願の 2階から 3階への階段(階段 3号)が出来上がった。
普通なら 2〜3日で出来そうな物だが、半日やって休んで、また半日って感じで1週間くらい掛かった。
今、別の大工さんが、増築1階から既存1階への小さな階段(階段 4号)を造っている。

屋上から既存屋根に下りる為の「タラップ」も取付けた。こう言った「雑工事」は私の仕事である。
タラップを特注すると高いので、既製品のステンレスタラップ(最上部のみ)を使ってみた。
既製品タラップは色々な種類があったが、シンプルさでコレに決めた。
取付け下地は予め入れておいたので、取付けはコーチスクリューで固定するだけである。
墨出しして、壁に穴をあけて、取付けまで 1時間で完了!って感じだ。
4ヶ所固定だけで大丈夫なのか?と少々不安だったが、大人一人昇り降りするには全く問題なかった。

既存部分の屋根が「融雪屋根」では無いので、雪が 1.5m 積もったら下ろさなくてはいけない。
毎年、1回は雪下ろしが必要なのだ。その為の「雪下ろし用タラップ」である。
親父さんは『そんな物はいらない』と言っていたが、いざ付けてみると『これがあると楽だ』などと・・・
実に調子のいい奴である。
このタラップを使って雪下ろしをするのは私なので、誰が何と言おうと(私が)必要!なのだ。

(11/28)

エアコン屋外機

エアコンの屋外機が取り付いた。屋上の融雪ボイラー室の脇に、FRP 防水の脱気筒ギリギリって感じだ。
2階と 3階を同じエアコン(冷房専用)にした筈なのに、屋外機が違うぞ!
3階のエアコンを冷暖房兼用のエアコンにしてくれた?そうだ。左の大きい方がソレである。
別に頼んで変更した訳ではないので、勿論サービスである。
暖房機具は FF 暖房機があるので、エアコンの暖房など使う必要が無い。
だいいち雪国山形の暖房を、エアコンの電気暖房で補える訳がない。電気代もバカに成らないし・・・
まあサービスだから良しとしよう。多分、発注ミスだろうと私は考える。
しかし、どう見たって「同じ屋外機」が 2つ並んでいる方が、見た感じがイイよなあ・・・
○(丸)と □(四角)・・・、すると △(三角)も欲しく成るのは、おバカな私だけだろうか?

冬期間、この屋外機に何か「雪囲い」をしなければ成らない。と今日取付けて初めて気が付いた。
軒下でもないので雨ざらしにも成るし、何か手立てを考えねば・・・
今にして思えば、エアコン屋外機を融雪ボイラー室の外壁に、ブラケットで 2段に取り付けて、
融雪ボイラー室の屋根を、屋外機の雨よけ分 60cmくらい伸ばしてやれば良かったと反省している。
今からでは、屋外機の下地を取付けるのも大変だし、屋根を伸ばすのはもっと大変だ。
失敗は、次の設計に生かせば良しとして、我が家の屋外機は雪囲いをするしかあるまい・・・


11月編

Garage construction diary of SAAB/November 


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